低金利時代が長く続いた日本で、いま「預けるだけで増える資産運用」が再び注目されています。
各銀行では定期預金の金利引き上げが相次ぎ、普通預金の4倍以上の金利を提示するケースも出てきました。
さらに、個人向け国債の利率も過去最高水準となり、「リスクを抑えながら資産を増やしたい」という層から人気が高まっています。
特に、退職後の資金管理を意識する60代・70代だけでなく、若年層からも「安全資産を持っておきたい」という声が増えている状況です。
目次
定期預金の金利が大幅上昇
ここ数年、日本では超低金利政策が続いていました。
しかし、金利環境の変化によって、銀行各社が定期預金の金利を引き上げ始めています。
たとえば、三井住友信託銀行では、2026年5月時点で以下のような金利差が生まれています。
| 預金種類 | 金利(税引前) |
|---|---|
| 普通預金 | 0.3% |
| 5年定期預金 | 1.4% |
単純比較でも約4倍以上の差があります。
「ただ預けるだけ」で利息が増える状況に、再び関心が集まりつつあります。
普通預金と定期預金ではどれだけ差が出る?
実際に100万円を5年間預けたケースで比較してみましょう。
普通預金の場合
- 金利:0.3%
- 5年間の利息:約1万5000円
5年定期預金の場合
- 金利:1.4%
- 5年間の利息:約7万円
同じ100万円でも、受け取れる利息には大きな差が生まれます。
特に、まとまった資金を保有している人ほど、金利差の影響は大きくなります。
1000万円規模になると、数十万円単位の差になるケースもあります。
なぜ今“安定資産”が人気なのか
背景にあるのは、「投資への不安」です。
近年はNISAや投資信託への関心も高まっている一方で、株価変動リスクを警戒する人も少なくありません。
特に以下のような層では、安定資産への需要が強くなっています。
安定資産を重視する人の特徴
- 元本割れを避けたい
- 老後資金を守りたい
- 大きな値動きが不安
- 使う予定のお金を安全に保管したい
- 投資経験が少ない
実際、銀行窓口では「普通預金から定期預金へ切り替えたい」という相談が増加しているそうです。
個人向け国債の利率も過去最高水準へ
定期預金と並び、注目を集めているのが「個人向け国債」です。
国債とは、国が発行する債券のことです。
購入者は国にお金を貸し、その見返りとして利子を受け取る仕組みになっています。
なぜ人気なのか
理由はシンプルで、こちらも金利が大きく上昇しているためです。
たとえば、5年国債を比較すると以下の通りです。
| 募集時期 | 金利 | 100万円購入時の5年利息 |
|---|---|---|
| 2024年2月 | 0.18% | 約9000円 |
| 2026年4月 | 1.79% | 約8万9500円 |
わずか2年で利率が大幅に変化していることが分かります。
「銀行預金だけでは物足りないが、株式投資ほどのリスクは取りたくない」という人にとって、選択肢の1つになっています。
定期預金と国債の違いを比較
「結局どちらがいいのか?」と迷う人も多いでしょう。
それぞれの特徴を整理すると、次のようになります。
| 項目 | 定期預金 | 個人向け国債 |
|---|---|---|
| 元本保証 | あり | 実質的に高い安全性 |
| 金利 | 固定が多い | 商品による |
| 途中解約 | 可能だが金利低下 | 一定期間後に換金可 |
| 値動きリスク | 低い | 非常に低い |
| 向いている人 | 短〜中期の資金管理 | 中長期運用 |
どちらにも共通するのは、「大きく増やす」というより、「守りながら増やす」という考え方です。
注意したいポイント
金利上昇は魅力的ですが、注意点もあります。
途中解約には注意
定期預金は途中解約すると、当初の高金利が適用されない場合が多くあります。
急な出費に備え、生活防衛資金まで固定してしまうのは避けたいところです。
今後さらに高金利商品が出る可能性も
現在は金利上昇局面にあります。
つまり、今後さらに条件の良い商品が出てくる可能性もあるため、「全額を長期間固定する」判断には慎重さも必要です。
インフレへの対応も必要
預金や国債は安全性が高い反面、インフレ局面では「実質的な資産価値」が目減りすることもあります。
そのため、すべてを安定資産に偏らせるのではなく、目的別に資産を分ける考え方も重要になります。
これからの資産防衛で重要な考え方
近年は、「増やす」だけでなく、「減らさない」視点が重視されています。
特に不透明な経済状況では、
- 使う予定のお金
- 老後資金
- 緊急時資金
などを、安全性の高い資産に分散する動きが強まっています。
一方で、すべてを預金に置くのではなく、
- 定期預金
- 個人向け国債
- NISA
- 投資信託
などを目的別に組み合わせる「分散管理」が、今後さらに重要になりそうです。
まとめ
定期預金や個人向け国債の金利上昇により、「安定資産」が再び注目されています。
特に、
- 元本割れを避けたい
- 老後資金を守りたい
- リスクを抑えて資産形成したい
という人にとって、魅力的な選択肢となりつつあります。
ただし、高金利だけで判断せず、
- いつ使うお金なのか
- 途中解約の可能性
- 将来の金利変動
まで含めて考えることが大切です。
資産運用では、「増やす力」と同じくらい、「守る力」も重要になっています。
記載の情報は執筆時点の一般情報であり、最新の詳細は公式をご確認ください。
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