no title

ライバルとして長年競争を続けてきたKDDIとNTTドコモが、5Gの高速通信「ミリ波」の普及に向けて協力することを発表しました。

一見すると意外なニュースですが、その背景にはミリ波特有の課題と、通信インフラ整備にかかる莫大なコストがあります。

この記事では、ミリ波とは何なのか、なぜ両社が協力するのか、そして今後私たちのスマートフォン利用がどう変わる可能性があるのかを、わかりやすく解説します。

5Gの「ミリ波」とは?

5Gには複数の周波数帯がありますが、その中でも最も高速通信が可能とされているのがミリ波です。

ポイント
・超高速通信が可能
・大容量データの送受信に向いている
・動画やVR、ARなどとの相性が良い

例えば、30分程度の動画であれば、理論上は数秒以内でダウンロードできるほどの通信性能を持っています。

将来的にはクラウドゲームや8K動画、XR(VR・AR)など、大容量通信を必要とするサービスの普及を支える技術として期待されています。

ミリ波が普及しない3つの理由

非常に高速なミリ波ですが、大きな弱点があります。

① 障害物に弱い

ミリ波は直進性が強いため、建物や壁、街路樹などに遮られると電波が届きにくくなります。

② 雨や人体の影響を受けやすい

水分によって電波が減衰するため、雨天時だけでなく、人がスマートフォンを握ることでも通信品質が低下する場合があります。

③ 届く距離が短い

一般的な基地局では数km届く電波もありますが、ミリ波は約100〜200m程度しか届きません。

つまり...
街中をミリ波でカバーするには、通常よりはるかに多くの基地局や中継設備が必要になります。

KDDIとドコモが協力する理由

これまで通信会社は、自社だけで基地局を整備し、エリアの広さを競い合ってきました。

しかし、ミリ波では基地局の数が大幅に増えるため、各社が単独で整備すると莫大なコストが発生します。

そこでKDDIとNTTドコモは、共通設備を利用することで設備投資を効率化するという新しい選択をしました。

「割り勘作戦」とは何か

今回発表された共用中継器は、1台で両社のミリ波を中継できます。

これまでは通信会社ごとに別々の設備を設置していましたが、共同利用することで設置費用や工事費を分担できます。

共同利用によるメリット
  • 設備コストを削減
  • 工事回数を減らせる
  • 設置スペースを節約
  • エリア展開を加速できる

まさに「割り勘」で設備投資を進める戦略と言えるでしょう。

共用中継器のメリット

今回開発された中継器には、次のような特徴があります。

  • 約4.9kgと軽量
  • 街路灯などにも設置しやすい
  • KDDI・ドコモ両方の電波を中継可能
  • 最適な通信経路へ自動切り替え

周囲の環境変化によって電波状況が悪化した場合でも、自動的に通信品質の良い経路へ切り替える機能を備えています。

iPhone 18対応のうわさとの関係

通信会社がミリ波整備を急ぐ背景には、次期iPhoneが日本でもミリ波対応になる可能性があるとの見方もあります。

現在、日本版iPhoneはミリ波に対応していませんが、世界共通仕様への移行が進めば、日本向けモデルも対応する可能性があると予想されています。

※注意
iPhone 18の仕様については現時点では公式発表ではなく、あくまで予想・うわさの段階です。

今後の5Gはどう変わる?

ミリ波の普及が進めば、駅やスタジアム、大型商業施設など、人が集中する場所でも高速通信が利用しやすくなる可能性があります。

また、将来的には屋外でも自宅のWi-Fiに近い快適な通信環境が実現し、大容量動画のダウンロードやクラウドゲーム、XRコンテンツなども、より身近なものになることが期待されています。

競争だけではなく、必要な分野では協力するという今回の取り組みは、日本の通信インフラ整備において新しいモデルケースになるかもしれません。

まとめ

  • 5Gミリ波は超高速通信を実現する技術
  • 障害物や雨、通信距離の短さが課題
  • KDDIとNTTドコモは共用中継器を共同開発
  • 設備を共同利用することでコスト削減を目指す
  • 今後はミリ波対応スマートフォンの普及も期待される

今回の協力は、ライバル同士でありながら通信品質向上という共通の目的を優先した取り組みとして注目されています。今後の実証実験の結果や、対応端末の動向によって、日本の5G環境はさらに大きく進化する可能性があります。


記載の情報は執筆時点の一般情報であり、最新の詳細は公式をご確認ください。

なぜライバルの「KDDI」と「ドコモ」は手を組むのか 5G「ミリ波」を広げる“割り勘作戦”とは
 国内の通信業界でシェア争いを繰り広げてきたKDDIとNTTドコモが、5G通信の「ミリ波」エリア拡大に向けて手を組んだ。  両社は5月27日、京セラ…
(出典:ITmedia ビジネスオンライン)